こんにちは、Megです。
私はバンフのホテルでハウスキーパーとして5ヶ月間働いていました。未経験から始めたハウスキーパーという仕事は、私が思い描いていたものとは少し違う点がいくつかありました。
今回はハウスキーパーの仕事について、想像と現実のギャップがあったところについてシェアしたいと思います。
『ハウスキーパーなら英語が話せなくても、単純作業でラクに稼げる?』『体力がないとしんどいの?』と気になっている方の参考になれば嬉しいです。
ハウスキーパーになった理由と経緯
キツイ仕事と避けられがちなハウスキーパーですが、私の場合は望んでハウスキーパーになりました。
当時カルガリーに住んでいた私はシェアハウスが合わず、一刻も早く引越しがしたいと仕事探しを始めました。そこで以下のような理由から、バンフのハウスキーパーに応募することにしました。
- とにかくすぐにバンフで働きたかったから
- アコモデーション付きだったから
- ホテルのフロント経験からハウスキーピングがどんな仕事か知っていたから
- エクササイズになる仕事が魅力的に感じたから
- 友人が辞めるタイミングで求人があり紹介してもらえたから
他のバンフ周辺ホテルの求人にも応募しましたが、友人が紹介してくれたホテルが1番スピーディーに動いて下さり、応募から2週間後には引越しが完了しました。タイミングって大事です。
またバンフを選んだ理由ですが、10年前にバンフでワーホリをしていた方から話を聞いて以来、ずっと行ってみたい場所でした。さらに2022年に旅行でバンフに訪れた時には『ここに住んで働きたい』と確信に変わりました。振り返ってみても、バンフに住めたことはとても幸せでした。
想像していたハウスキーパーの仕事
前述の通り、私は日本でホテルのフロントとして働いていたことがあり、未経験でありながらハウスキーパーはとても身近な仕事でした。
仕事内容もある程度は把握していましたし、実践する機会はなくともベッドメイクのやり方は一通り研修で学んでいました。さらには、フロントからハウスキーパーへどんな指示があるのか、どんな場合によくクレームが起こってしまうのか、というところまで理解しているつもりでした。
難しい技術は必要ないと言われるハウスキーパーですが、実際にやってみると向き不向きがあるようです。
もちろんホテルにより状況が違うと思いますし、あくまで私が働いていたホテルの話なので、一例として読んでいただければと思います。
英語ができないと詰む
まずハウスキーパーのイメージとして、『英語はほとんど使わないんじゃないの?』と思っている方も多いのではないでしょうか。結論から申し上げると、英語力はそれなりに必要だと思います。
確かにずっと喋っている仕事ではないですが、英語で会話する機会は毎日あります。例えば、滞在中の客室をノックして必要なサービスを聞いたり、廊下で話しかけられて対応したり、お客様と会話する機会は初日からありました。
また、ハウスキーパー同士や上司とコミュニケーションをとることも大事ですし、フロントやメンテナンスなど他部署と連携が必要な場合もあります。
私が苦労したのはトランシーバー(無線)を通して英語を使う場面です。客室からメンテナンス担当に故障を伝えるも、『何言ってるかわかんないから直接行くわ』と言われたり、自分に言われてることを無視してしまったり…。逆にフロントから言われている意味が理解できず、直接聞きに行ったこともあります(笑)
まぁ全員がトランシーバーを使うわけではないですが、それなりに英語を使う環境ではありました。話す内容も、カフェで働いた時より、生活全般に関わる幅広い語彙を使うと思いました。
運転できないと詰む
私がいたホテルは運転する場面がめちゃくちゃ多かったです。とは言ってもホテルの敷地内だけなので、難しい交通ルールや標識もありませんし、リネンやアメニティを載せて走る小さなゴルフカートなのですが(笑)
それでも運転が苦手な私は『絶対運転したくない!』と思っていました。ですが、仕事なのでそんなわけにもいかず、運転せざるを得ない状況でした。
慣れてくるとマリオカートみたいで楽しいと思える瞬間もありましたが、ハウスキーパーの仕事で車の運転をするとは想像していませんでした。前回のハウスキーパーでやらかした話のブログでも、運転で詰んだ話が登場していますので、併せてお読みいただけると嬉しいです。
チップがもらえなくて詰む
カナダでハウスキーパーの仕事というと、枕元にあるチップをもらえるから稼げるというイメージはありませんか?
実は、チップを置いていない部屋もすごく多いです…。なんなら私の体感では、1日1回もらえたらラッキーで、置いていない部屋の方が多かったです。そして私がいたホテルのルールとしては、
- 滞在中の客室でもらったチップ→その客室を担当したメンバーでその日に割り勘
- チェックアウト後の部屋にあったチップ→回収して貯めたものを月に1度ハウスキーパー全員で割り勘
という感じで、もらったチップを独り占めできるわけでもなく、金額は必ずしも部屋の広さに比例していなかったので、チップで稼ごうとは思わない方がいいかもしれません。
ただ夏の間は時給が数ドル上がったり、アコモデーション代が半額になったり、さらにボーナスをもらえたりと、嬉しい契約変更があったので、チップ以外では結構稼げました。
体力がないと詰む
ハウスキーパーはとにかく体力が必要です。確かにやってるうちに体力はつくのですが、最初のうちは毎日クタクタでした。ホテルの中を動き回るので、毎日の平均歩数は1万5千歩くらいで、帰宅してスーパーに買い物に行くと2万歩超えです。毎日ディズニーランド帰りのような疲労感で、いつも家で筋膜ローラーをゴリゴリしていました(笑)
そして体力だけではなく、強い薬剤(洗剤)を使うので手荒れがひどく、乾燥して爪が割れます。ゴム手袋をすればいいかと思いきや、ずっとつけているとゴム手袋の臭いがとれなかったり、汗疱というプツプツができたりもしました。
またホコリで喉が痛くなったり、ハウスダストで目や鼻が痒くなったり、かといってマスクをつけて動くと苦しいのでアレルギー持ちの方はツラいかもしれません。
意見が言えないと詰む
私が想像していたハウスキーパーは、他人と関わらずに1人で黙々と清掃する仕事だと思っていました。そのような側面もあるのは事実ですし、ホテルによっては1人1部屋を任されたり、イヤホンをして音楽を聴くことが許されていたりします。
実際にハウスキーパーをやってみると、個人プレーでありながら同時に、チームワークが必要な仕事だと思いました。
チームで仕事をするにあたり、ハウスキーパー同士でのコミュニケーションは重要です。常に助け合って仕事を進めますが、中にはサボりがちな人や、ラクな仕事しかしない人もいます。そこで黙っているとキツイ仕事ばかりを押し付けられるようになり、効率も落ちます。特に日本人は真面目でハッキリものを言わないので、損な役回りになっているなと思う場面もありました。
また他のハウスキーパーは『この部屋から始めた方が効率がいい』『休憩前にこの部屋まで終わらせよう』など、提案してくれることがあります。ただ与えられた指示通りに仕事をするのではなく、チーム全体を良くするために意見を言うことも必要です。人に合わせるだけがチームワークではないと学びました。
友達がいないと詰む
これは仕事上というよりも、バンフという土地柄、そして住み込みで働くという性質上ですが、友達や恋人と一緒に来て働く方が絶対に楽しいと思います。逆に言うと、1人だとつまらないかもしれません。プライベートでも人工的な娯楽が少なく、ハイキングやキャンプ、スポーツなど、人と集まってする遊びが多い気がします。
私が入社したタイミングは、日本人はおらず9割ネイティブスピーカー、しかも私以外は長く一緒に働いていたので、かなりアウェイな感じがありました。その時に『誰かと一緒に来たら楽しかっただろうな』と思いました。また、アコモデーションで相部屋になる場合、友達や恋人と来ていればルームメイトでしんどい思いをすることも減るかなと思います。
そのうちメンバーが入れ替わって、全員と仲良くなってからは楽しかったです。もし1人で来たとしても、バンフは小さい街なので友達は作りやすいと思います!最初だけ寂しい思いをしました…。
まとめ
以上、想像していたハウスキーパーの仕事と実際にやってみてのギャップでした。
確かに仕事内容はシンプルで難しくはありませんが、英語を使う場面は想像より多かったです。お客様と接する機会も多くありましたし、英語でコミュニケーションがとれないレベルでは難しいと思いました。ただ英語力を伸ばせる環境でもあるので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてほしいです。
今回はネガティブな面にフォーカスしてしまいましたが、私にとってハウスキーパーは結構好きな仕事でした。掃除も好きですし、いろんなタイプの客室を見られて楽しかったです。窓から見える山々の景色はため息が出るほど綺麗で、バンフで働いていると実感する瞬間でした。さらに、シフト的にもダブルワークが探しやすく、稼ぎたい人にはオススメです。
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