こんにちは、Megです。
先日、一人旅で長崎に行ってきました!そこで世界遺産である端島へ、軍艦島ツアーに参加して上陸しました。
今回のブログは、その際に利用した軍艦島ツアーについて、注意点や持ち物などを含めたレポです。

軍艦島とは?
軍艦島の正式名称は「端島(はしま)」。島のシルエットが戦艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになったそうです。
長崎市の沖合に浮かぶ小さな島で、かつては炭鉱の島として日本の近代化を支えた存在でした。

軍艦島が舞台となった「海に眠るダイヤモンド」が大ヒットしましたね!
ドラマをご覧になった方も多いのではないでしょうか?
明治時代から石炭採掘が本格化し、最盛期の1960年代には約5,000人が暮らしていたとも言われています。当時の人口密度は、世界トップクラスだったとのことです。
その後、エネルギー政策の転換で1974年に閉山され、無人島となり、今では廃墟の美しさと歴史的価値から観光地として注目されています。
2015年には、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつとして世界文化遺産にも登録されました。

世界遺産好きの血が騒いで、「これは行っておかねば!」と思い、ツアーを予約しました。
軍艦島に上陸するには?
2025年現在、軍艦島には個人で上陸することはできません。
建物の老朽化が進んでいるため、安全管理の観点から、長崎市が認可したツアー会社を通じてのみ上陸が許可されています。
そのため、軍艦島へ実際に足を踏み入れたい場合は、上陸ツアーに参加することが必須です。
ツアーではガイドによる案内や歴史の説明を聞きながら、指定された安全なルートを歩いて見学します。

かなり老朽化が進んでいるので、今後もずっと上陸できるとは限らないですよね…。
上陸ツアーを実施している主な会社(2025年現在)
以下の会社が、軍艦島上陸ツアーを実施しています(いずれも事前予約制)。
※ツアーによって所要時間、料金、出発場所が異なるため、各社の公式サイトで事前に比較・確認がおすすめです。
天候による上陸中止に注意
当日の天候や海の状況によっては、安全のため上陸できないことがあります。
その場合は船上からの周遊クルーズのみ実施され、上陸料金の一部が返金される場合もあります。
「絶対に上陸したい!」という人は、予備日を設けることを検討してみてください。
またこのツアーの場合、もし軍艦島に上陸できなかった時は、隣の高島という島へ寄港します。こちらも炭坑で栄えた町で、石炭資料館があります。
高島ツアーの詳細 – 軍艦島ツアーのシーマン商会|軍艦島上陸・周遊
軍艦島ツアーの流れ
私が参加したのはシーマン商会の「上陸 + 周遊コース」の午後ツアーでした。
まず事前に公式サイトより、オンラインで予約をしておきます。支払いは当日なので、時間に気をつけて集合場所に行きましょう。

満席でもこまめにチェックすると予約枠が増えることがあります。
私も諦めずに何度かチェックして空きを見つけましたよ!
以下、当日の流れを時系列でご紹介します!
13:00 受付開始

長崎港の出航場所にて受付。13:20までに集合するよう案内されていました。
港で同意書を記入して、乗船する際に船内でツアー代金を支払います。現金のみで3,910円でした。内、310円は施設入島料として、もし上陸が叶わなかった際は返金されます。
こちらのさるくII号は、定員96 名の船です。席は自由席でしたが、この便は満員だったので結構キツキツの船内でした。
出航までの20分以上、船内で待機します。

この待機中にもかなり揺れがあるので、船酔いしやすい方はこの時点で酔い止めを飲んでおくのがおすすめです!
13:40 出航

軍艦島へ向けて出発。天気が良ければ、船内から長崎の街や沿岸の景色を楽しめます。イージス艦が停泊しているところや、近辺の島にある教会などをガイドさんが説明してくださいました。

軍艦島にはトイレがないので、乗船中にお手洗いを済ませておきましょう。上陸間際になると混み合います。
14:05〜14:25頃 軍艦島の外周クルーズ

軍艦島に近づくと、ぐるりと周遊するクルーズタイム!このときは全員が2階デッキに移動して見学しました。揺れが強く足元も不安定なので、「荷物は席に置いたままで」と案内がありました。
ガイドさんが「一番軍艦らしく見える角度」を教えて下さるので、シャッターチャンスを逃さないでくださいね!
ちなみにこの時点ではまだ、上陸できるかどうかはわかりません。一旦席に戻り、上陸可否のアナウンスをドキドキしながら待ちました。

間近で一周しただけでも圧巻でしたが、上陸できると聞いた時はみなさんから拍手が起こりました!
14:30頃 軍艦島へ上陸!

船をつけていよいよ軍艦島へ。荷物は船には置いて行けないので、全部持って行きます。
ガイドさんの先導で、限られた見学エリアを徒歩で移動しながら巡ります。
見学エリアは全部で3ヶ所あります。他のツアーとの兼ね合いで、見学の順番が変わるようです。
14:35頃 第二見学広場

まず最初に集められたのは、こちらの赤いレンガが象徴的なエリア。総合事務所として、炭坑の中枢を担っていた建物です。

右手には第二竪坑へ行くために設けられた桟橋への昇降階段が見えます。石炭の粉で黒っぽくなっているのが今でもわかりました。
その先は地下636m真下に降りていくエレベーターがあった場所です。聞いただけでもゾッとするような深さを、枠だけのエレベーターを使い約90秒で降りていくのだそうです。
気温38度、湿度95%、8時間労働という、危険と隣り合わせの過酷な環境でした。事故が多く、215名の方がこの下で亡くなられたとのことです。

後ろを振り返ると、石灰と赤土を混ぜ合わせた「天川」という製法の石垣があります。この石垣も世界遺産を構成する、明治時代に作られたもののひとつです。
14:45頃 第三見学広場

こちらは住宅が見えるエリア。中央に見える黒っぽい建物が、30 号棟アパートです。
1916 ( 大正 5 ) 年に建設され、日本最古の 7 階建て鉄筋コンクリートの高層アパートでした。人口密度の高い軍艦島らしさを象徴する建物ですね。
こちらは建てられた時代が大正ということで、「明治日本の産業革命遺産」の対象ではないんだそうです。
その左側の 31 号棟には郵便局、公衆電話、美容院、理容院がありました。生活に必要な施設は島内にすべて揃っていたんですね。
14:55頃 第一見学広場

最後の見学所は入口に最も近いエリアです。軍艦島は周りを6回埋め立てしていますが、こちらから見えるゴツゴツした岩が、軍艦島の元の岩礁だそうです。
現在は広場になっている足元は元々仕事場で、ベルトコンベアで石炭を運んでいき、タンカーに積みこむ作業が行われていました。

1番奥に見える窓が大きな建物が、7階建ての小中学校です。この島は高層アパートが隣接しているため日当たりが悪く、子供たちには日当たりのよい環境をということで、窓が大きく造られました。
左手の見晴らしのいい場所に立つアパートは、課長クラス以上のエリートがお住まいだったと言われています。
15:00 記念撮影
見学終了後、スタッフさんが集合写真を撮影してくれました!
公式サイトのブログよりダウンロード可能です。
15:05 乗船して帰路へ

説明が終わったら、来た道を戻って船へ。
席に着くとあたたかいおしぼりと、上陸記念証明書が全員に配られました。
行く前は「なんでおしぼり?」と思っていたのですが、船の手すりや壁などあらゆるところを触りながら乗り降りをするので、これはありがたいサービスでした!
この日は途中から雨がパラつきはじめ、波が高くなってきたため、予定より早めに帰路につきました。
本来はもう少し長く滞在できるようですが、天候や波の状況によって時間が短縮されることもあるようです。
15:45 長崎港に到着・下船
天候の影響を受けつつも、無事に戻ってこれて一安心です!
公式サイトでは16:10頃の帰港が目安とされていたので、この日はかなり急ぎ足の行程でした。
あると良い持ち物
動きやすい靴・服装
船への乗り降りや、デッキに移動する際などは足場が良くないです。安全に動ける服装、ヒールのない平らな靴で行かれてください。
帽子やサングラス
「軍艦島は照り返しが強いので、帽子があると良い」と公式サイトにも書かれていました。風で飛ばされやすいので、十分注意してください。
また、天気が良ければ日焼け止めもあると良いですね。日傘は軍艦島内では使用不可です!
酔い止め
周りで気分が悪くなっている方はお見受けしませんでしたが、いつ酔ってもおかしくない揺れです。エチケット袋は席に用意されていましたが、酔い止めがあると安心です。

私は眠かったのが功を奏して、揺れでうとうとしていたら酔いませんでした(笑)
傘以外の雨具
軍艦島では傘が使えません。撥水性のあるアウターやレインコートを用意しておくと、いざという時に良いです。波しぶきがはねたり、海風が冷たかったりもするので、防寒もできるものだとなお良しです!
カッパは船内で200円で購入することもでき、もし使わなければ返金もできるとのことでした。
ちなみに乗り場から徒歩圏内にはダイソーがあるので、事前にそちらで購入しておくと焦らずに済みます。
スマホ用ショルダーストラップ
私はスマホにショルダーストラップをつけていたので、安心して撮影できました。両手が空くので、あると便利かもしれません。
ポケット付きの服
軍艦島を周遊する際には、2階デッキに移動して見学します。安全のため「荷物は席に置いたままで」と案内があったので、スマホや財布などの貴重品だけポケットに入れられるとスムーズです。
財布は小さめのものを持参すると良いと思います。
証明書が入るファイルやかばん
帰りの船内で、紙の上陸証明書をいただけます。折らずに綺麗な状態で持ち帰りたい場合は、ファイルなどを用意しておくと良いかもしれません。
参加してみた感想
私は九州一周の旅の一か所として、長崎・軍艦島に立ち寄りました。
それまでも九州の歴史に触れながら旅をしていたので、実際に降り立つことができて感動しました。例のドラマは観ていなかったので、予習してくれば良かったとは思いましたが(笑)
さて、今回乗船したさるくII号は、他の軍艦島ツアーの中でも、小さめ規模の船のようです。同じ時間に来ていた他のツアーは、私たちの3倍くらいの大所帯でした。
船が小さめのため、揺れは大きく感じるかと思います。その分少人数での行動になるので、ガイドさんの説明が聞きやすかったり、気軽に質問しやすかったり、というメリットがあると思いました。
現時点でも島全体がかなり朽ちていて、いつまでも当たり前に行けるわけではないので、貴重な経験ができました。また何年か後に来てみても、さらに違った景色を見せてくれるという楽しみもきっとありますね。
今は廃虚と化していますが、そこに確かにあった活気や生活の跡が垣間見られ、時代とともに変容していく様子を感じて、なんとも切ない気持ちになりました。
その夜に寄った長崎駅の立ち飲み屋に、「軍艦島」という焼酎があったので記念にいただきました。


そこで地元の方に話しかけられて一緒にお酒を飲んでいたのですが、「地元民は軍艦島なんて行こうと思わない」と仰っていました(笑)
観光地あるあるですね!
軍艦島ツアーはこんな人におすすめ!まとめ

私のように一人参加の方もいらっしゃいましたし、ご家族や友人グループなどで来ている方もいらっしゃいました。杖をついている方もいらっしゃいましたが、軍艦島内では坂もなく、歩きやすく舗装されていました。
船内は指定席ではありません。相席になることや、グループが分かれることがある、という点だけ注意してください。
先着順に席に着くので、こだわりがある方は早めに行かれると良いでしょう。帰りもまた先着順に座っていき、行きとは別の席になります。
歴史好きな方、世界遺産好きな方、ドラマや映画のファンで聖地巡礼をしたい方にはたまらない場所だと思います。
以上、シーマン商会による軍艦島ツアーの全貌でした。
興味のある方は、「いつか行こう」と後回しにせず、ぜひ行けるうちに行ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!