こんにちは、Megです。
お恥ずかしながら、先日詐欺に遭いまして、1500ドルを不正送金されました。こちらで稼いで貯金していた約15万円を一気に失うことになり、不安とショックと怒りでいっぱいでした。銀行側の取り計らいにより幸い返金されましたが、私のような犠牲者が増えないよう、経験談をお伝えしたいと思います。
どんな詐欺に、どのように遭ってしまったのか、またその後の対応方法や、気付いたことをシェアさせていただきます。
詐欺に遭った経緯
私の使っている銀行はCIBCなのですが、【CIBC ALERT】と銀行を装ったメッセージが私の電話番号に届きました。
今思うと、このメッセージに書かれているカード番号が自分のものと一致していたので信じてしまったのだと思いますが、下4桁ではないのでおそらく他の方にも共通する番号なのでしょう。詐欺とは気付かず指示通りに返信してしまい、リンクから個人情報を入力してしまった、というのが事の発端です。偽のCIBCのサイトに誘導されましたが、本当にそっくりで全く気付きませんでした。
その直後に、銀行から口座の残高が少なくなったとメールが来ました。直前まで残高を確認していたのでおかしいと思い、再度アプリで確認すると身に覚えのないトランザクションがあり、1500ドルが私の友人に送金されたことになっていました。
補足情報
カナダでは”イートランスファー”という、送金サービスが主流です。送りたい相手の電話番号かメールアドレスがあれば、手数料無料で送金ができます。友人同士で割り勘する際にもよく使われる手段です。誰か1人がまとめて支払って、その人にイートランスファーでお金を返す、というように使われます。私は家賃もイートランスファーで支払っています。
一度送金したことある相手は、リストに登録することができ、今回はそこに登録していた私の友人をカモフラージュのため?に使われました。実際にその友人の元にはお金は届いていませんでした。
詐欺に気付いてからの行動
メールで銀行へ報告
まず、詐欺に遭ったのが日曜の夜遅い時間だったので、電話は繋がらないと思いCIBCにメールで報告しました。実際には詐欺に遭った時のための電話番号は24時間対応らしいので、電話しても繋がってはいたはずです。メールでは、詐欺のメッセージのスクリーンショットを添付して送れた点では便利でしたが、24時間以上経ってからの返信でした。私は返信が来るまでの間が不安だったので、翌日に電話もしました。
CIBCからの返信には、『Smishingと呼ばれる詐欺だということ』『私に届いたメッセージはCIBCからのものではないということ』『メッセージやリンクを通して銀行の口座情報を教えてしまった場合は、すぐに電話で報告をする必要があること』と記載があったので、結果的には電話もしておいて良かったみたいです。
電話でも銀行に確認
翌日にCIBCの、詐欺に遭った時の専用番号に電話しました。音声案内に従ってカード番号をダイヤルで入力して、まず最初のオペレーターに繋がるまでに40分以上、そのオペレーターからまた電話を取り次ぐのに10分くらいかかりました。電話を終えた時には、かけ始めてから1時間以上経過していました。
一応日本語対応できる人がいないか聞いてみましたが、日本語専用ラインはないそうです。オペレーターの方には、名前、住所、電話番号、職業、被害日時、金額などを聞かれました。インターネットのプロバイダーなども聞かれましたが、わからないものは正直にわからないと答え、なんとか大丈夫でした。その場で不正送金のトランザクションをキャンセルし、口座とデビットカードを無効にしてくれました。その後すぐにCIBCアプリにもログインできなくなりました。
一番気になっていた、“お金はちゃんと戻ってくるのか”という点で、戻ってくるとはっきり言ってもらえたので安心しました。
銀行に予約を取り、新しい口座とデビットカードを作成
電話のオペレーターから、新しい口座とデビットカードを作成するために店舗に直接行く必要があると言われました。すぐに店舗の空き状況確認しましたが、家の近くのCIBCは全て1週間以上先まで予約が取れず、ダウンタウンの店舗を予約をしました。最短でもその日から3日後になってしまいました。
銀行では新しい口座を開設してくれて、古い口座からお金を移し替えてくれました。電話した際に不正送金のトランザクションはキャンセルされているので、この時点で既にお金が戻ってきていました!普通の新規口座開設ではなかったので、担当の方が少し手間取って他の方を呼んで2人で対応してくれました。
クレジットカードのカスタマーセンターに電話
クレジットカードに関しては、CIBCの店舗ではなくカスタマーセンターへの電話でないと対応してもらえないとのことでした。こちらの番号にはすぐに繋がり、私の場合はクレジットカードもハッキングされてしまったので、今使っているものを停止して新しいものを送ってもらうという手筈になりました。
希望のCIBCの店舗に、その日から1~3営業日で届くそうです。また、個人情報を守るために『Equifax』と『TransUnion』というクレジット情報を管理している会社にも電話するよう番号を伝えられました。そこに登録すると、私のSINナンバーを悪用して新たなクレジットカードを作ることを防げるそうです。
なぜ信じてしまったのか?
自分が詐欺に遭うなんて想像もしていませんでしたし、普段はもちろんリンクを開いたりする前に、怪しいものではないか疑っています。ただこの時は個人的な3つの要因が重なって、怪しいとすら思いませんでした。
病み上がりの仕事で疲れていた
体調不良で仕事を4日休んだ後の出勤で、体力が落ちていました。仕事終わりの疲労により判断力のない状態でメッセージを見てしまい、完全には理解していないまますぐに返信したことがまず1つの敗因です。
祖母の訃報を聞いた直後だった
仕事後の疲れに加えて、その直前に祖母の訃報を聞き、精神的に動揺していました。今思えば、正常な判断が出来ていなかったんだと思います。
銀行からの連絡で思い当たることがあった
簡単に言うと自分に都合のいい解釈をしてしまいました。実は以前からずっと携帯会社からの自動引き落としが上手くいっておらず、銀行に確認しなくてはと思っていたところでした。メッセージを見た時に、『もしかしてそれに関することかもしれない』と勝手に思い込んでしまいました。実際には銀行からそのようなメッセージを送ることはないようです。
という以上の条件が重なり、銀行からのメッセージだと信じ込んでしまいました。
今回の詐欺を通して学んだこと
知らないメッセージに返信しない、リンクは開かない
当たり前ですが、メッセージにむやみに反応しないということです。他のことに気を取られていると、怪しいと気付かないこともあるのだと改めて思いました。
今回の場合は、私がアクションを取ってしまったことから始まったので、“一旦放置する”、”第三者の意見を聞く“、“直接銀行に聞く“、などをしていれば防げたかなぁと反省しています。
現金は多少は持っておいた方がいい
家に現金を置いておくのは、リスキーかもしれません。ですが今回のことで、多少の現金は持っている方が安心だと思いました。
私の場合は、毎回出勤するとその日に現金でチップをもらえます。5ドル以上の紙幣になった場合は、すべて銀行のSaving口座に預けていました。そのほうが利子が付くので絶対良いと思っていましたが、今回は預けていなかったコインに助けられました。
銀行口座やカードをハッキングされてしまった場合は、口座が凍結してしまいます。別の銀行口座や、現金が手元にあった方がいいでしょう。
スクリーンショットを残しておく
意図しないトランザクションがあった時は、アプリで口座のスクショを撮っておくと便利です。私はCIBCに報告した直後からアプリの履歴が見られなくなってしまったので、”いつの時点でいくら取られたか”というのを残しておいて良かったです。自分の中でも混乱して記憶が曖昧になりますし、説明する際にもスクショを見せた方が早いです。
持つべきものは友達
約15万円を失い(返金されるとはいえ、いつになるかわからない状態)、手持ちの現金もあまりない状態で、不思議とそこまで精神的に追い詰められませんでした。それは、『私には何かあったら助けてくれる友人がいる』という自信があったからでした。
まず、『詐欺に遭ってしまったかもしれないけどどうしよう?』という相談ができる友人がいたことで心に余裕が出来ました。話を聞いてくれ、必要な情報を調べてくれて、励ましてもくれました。
また、『困ったら言ってね』『お金貸すよ』と心配してくれる優しい友人が周りにいてくれたことで、とても安心出来ました。詐欺の話は英語で説明するには込み入っているので、こんな時も日本人の友人には支えられました。周りの友人には感謝しかないです。
まとめ
以上が私が詐欺に遭った経験談です。大丈夫だろうという油断から起きてしまった出来事なので、自分の甘さに反省しています。お金が戻ってきたのは本当にありがたいですが、すべて英語で手続きをしなければならずずっと不安を感じていました。
今後私と同じ思いをする方がいないことを願っています。